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近畿学校保健学会に出席して
京都府学校保健主事会 会長 上田 雄佐武
学校保健が学問の立場からその諸問題について究明され、児童生徒の心身の障害の原因やその予防の方法が発見されて、これが教育の現場に遍く実施されると共に一般関係者の理解と関心、更に積極的に協力される体勢に盛上がることが今日の学校保健進展の上に最も大せつなことだと思います。
この意味に於いて今までのこの会の果した役割は大きく評価されると思います。然し評議員会の席上どなたかの発言にもあつたように、学会という名のために大学の先生や高次の専門の方々のみによって徒らに象牙の塔に立こもる形に陥ったり、一般現場の実際家が近寄り難いものに思うような空気にならないようあくまで学校保健が国民みんなのものとなり、それが学問の力によって更に高められ深められるよう努力することが必要だと思います。
この意味に於いて先般京都大学でのそれは私共実際家にとって参加された方々や、発表された内容共に極めて関心深いものであり比較的心易く勉強させていただいたことを感謝しています。唯発表された問題や研究内容について若干疑問な点もあり結論的なものが出ないものに対する適切な論議乃至は指導的な説明がなかったのは少し物足らなさを感じました。
会の運営については時間的な制約で十分なものは期せられないのはやむを得ないとして、よく準備され大体スムースに行ったように思います。
実質、非常に重要なものであり、発表された諸問題から見て今後の国民育成の基本にふれるもの更に大きく国家の消長にも関係するこの問題の研究が、経済的に如何に貧困であるかに今更驚かされると同時に、今後関係者一体となって、公共からの経費補助に大いに努力することが肝要だと思います。年間わずか30万円に足らないものでは今日何も出来ないわけでよくぞ生きているものだとさえ感ずるわけです。
尚今後は更に学校現場教員特に学校保健主事や養教諸氏がこの会にもっともっと多く参加させていただき研究を深めると同時に学校保健上の重要な問題発見とその解決のための勉強の場とするよう極力すすめたいと思います。
――昭和39年6月20日 近畿学校保健学会通信 No.3 より――
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