近畿学校保健学会

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 近畿学校保健学会へのそのときどきの想い 第 III 期
 

第23回近畿学校保健学会の開催を祝して

京都府教育委員会教育長  金子 欣哉


第23回近畿学校保健学会が京都で開催されるに当たり、お祝辞を申し上げます。
児童・生徒ひとりひとりの命を守り、健康を保持増進させることは、学校教育の基盤であり、今日の重要な教育課題であります。その意味で、学校保健のもつ役割は大変大きいものがあり、その成果を期待されております。従来学校保健は、教育の場としての学校の中で、教育理論との結びつきが少なかったとの反省があります。学校保健を、現状の社会情勢の変化の中で生きる児童・生徒の健康の問題としてとらえるとき、現場の実践が身近な問題に対する解決にとどまることなく、教育として、学校保健の科学的理論を構築する必要があります。

学校保健の研究組織は、具体的目標をもつ管理が中心となり、そのため、校種・職種など細分化されやすい傾向がみられます。近年、発達と結んだ教育内容の確立をめざして、幼・小・中・高一貫の研究体制がとられ、また、三師会・地域を含む横のひろがりも定着化する傾向にありますが、大学を中心とする研究者と融合する研究組織は少ないのが現状であります。

近畿学校保健学会は、この数少ない教育現場と研究者が交流しあう組織であります。教育現場がめざす学校保健理論の確立の場として、有意義な機会でありますので、活発な討議を期待したいと思います。特に本年は、健康と体力の問題を主題として取り上げられておりますが、体力に関しては、学校現場でも実態調査の分析をとおして、体力づくりを学校目標にあげて実践に取り組みつつあります。しかし、その目標は、方向性をようやく見出した程度であり、すべての子どもを対象にした時、具体的な方法論と結びつく実践の確立にはまだ至っておりません。

研究者と実践者が、お互いに平素の疑問を素直に話し合えるせっかくの機会でありますので、十分に協議いただき、児童・生徒が健康や体力を身につけ、未来社会の立派な形成者として育成される学校保健の発展を、切に希望して祝辞といたします。


――昭和51年6月1日 近畿学校保健学会通信 No.30 より――

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