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会務を統括するむつかしさ
和歌山県立医科大学 教授 武田 眞太郎
すでに上林教授が触れられたように、はからずも私が本学会の新幹事長をお引き受けする破目になってしまった。
会則によると、幹事長の任務は「学会を代表し、会務を統括する」となっている。はたして、私にこの重責を担うだけの器量があるだろうか。新会則にそって上林教授が確立してこられた学会運営を継承し、この基盤の上にその時々の問題に対応した色づけをしてゆけばよいのであるし、会務の処理は幹事会によって行われるのだから、幹事の先生方の意向に従って、そのとりまとめを行えばよいのであるが、それだけではすまない気がする。いうまでもなく、本学会の目的は、学校保健に関する研究を行い学校教育に寄与することにあるが、現実問題として同じ近畿地方でも府県によって学校教育のなかでの学校保健の位置づけに大きな差があり、各会員のもつ問題意識にも違いがみられるし、学校保健の性格上、会員の職種・専門性が多岐にわたっているので、すべての会員に満足していただけるような学会運営は並大抵の努力ではできないように思われる。
しかも、学校保健がかかえる解決の困難な今日的課題が山積している。学校保健にかかわる活動は学校における全教育課程を通じて行うものとするとされているが、これを現実のものとするには、各学校における学校保健ないしは健康教育についての基本的な考えが確立され、その上に立った学校保健の計画および組織的活動が積極的にすすめられていなければならない。しかし、そのような努力が充分になされていたとはいえないのではなかろうか。また、子どもたちをとりまく家庭や社会の大きな変化に伴って、不登校、いじめをはじめとする問題行動、シンナー遊びや中・高校生の人工妊娠中絶の増加などが社会問題化し、これらのこころの健康をめぐる問題は、学校保健や地域保健の課題としても大きく取り上げられなければならない時代になってきている。
ひるがえって、本学会の運営にかかわる問題としては、役員選出規定の策定、学会活動の充実、会員の確保など多くの課題がなお残されている。これらは、いずれも会員の方々の協力なしにはすすめられない問題である。
以上に概観してきたような諸問題の大きさに比べて、大変非力な幹事長ではあるが、折にふれて会員の皆さまからの御指導、御協力がいただけるようお願いして、就任の挨拶に代えさせていただく。
――昭和61年12月15日 近畿学校保健学会通信 No.56 より――
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